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伏見稲荷大社の千本鳥居
その場所で聴く物語

伏見稲荷、千本鳥居の山

朱のトンネルは、一万人の願いの列

全5章 徒歩5km・約2.5時間 起点:JR稲荷駅

章ごとに約1分の語りが、その場所で流れる iPhone アプリの物語です。

はじまりの序章

歩く前に、この山のこと。

朱色の鳥居が、トンネルのように連なる山があります。京都、伏見稲荷。たぶん日本でいちばん写真に撮られている風景です。

でも「千本鳥居」の千本は、実数ではありません。稲荷山の参道全体で、鳥居はおよそ1万基。そしてその柱の一本一本に、奉納した人の名前と日付が刻まれていることには、なかなか気づかれません。この物語の問いはひとつ。なぜこの山だけが、一万基の鳥居で埋め尽くされたのか。

稲荷の神がこの山に鎮まったのは、西暦711年、和銅4年と伝わります。以来ここは、拝む相手が社殿ではなく山そのものという、めずらしい聖地でした。あなたが山の入口で出会うのは、1589年、安土桃山時代に天下人・豊臣秀吉が建てたという楼門です。ただし秀吉もまた、母の病の平癒を願ってここへ来た、ひとりの願う人でした。名もない商人も、秀吉も、みな同じ列に並んだのです。

その答えは、道の途中に置かれています。鳥居をくぐった先の奥社、旅人が京都を見晴らした四ツ辻、そして石が願いの重さを教えるという頂の峰へ。駅前から標高233メートルの頂上まで、石段を登って約2時間。最初の一歩を踏み出したら、この朱の道が、一万人の願いの列に見えてくるはずです。

巡り方

駅から、山頂の一ノ峰まで。

JR稲荷駅から歩きはじめ、章の順にめぐります。

Chapters

5つの章

  1. 伏見稲荷大社の楼門
    01 ・ 駅から徒歩2分

    楼門(伏見稲荷大社)

    ろうもん
    安土桃山 — 天下人も、願う人だった

    秀吉はこの門を、母の命乞いの御礼に建てた。

  2. 二手に分かれる千本鳥居
    02 ・ 前の章から徒歩5分

    千本鳥居

    せんぼんとりい
    江戸 — 願いがとおった、御礼の列

    朱のトンネルは、一本一本が誰かの叶った願い。

  3. 奥社奉拝所のおもかる石
    03 ・ 前の章から徒歩3分

    奥社奉拝所・おもかる石

    おくしゃほうはいしょ
    711 — 神さまは、山にいる

    拝む相手は社殿ではなく、うしろの山そのもの。

  4. 稲荷山の中腹から見る京都の街
    04 ・ 前の章から徒歩45分

    四ツ辻

    よつつじ
    幕末 — 江戸の旅人と、同じ眺め

    鳥居のトンネルが突然ひらけ、京都の街が足もとに。

  5. 05 ・ 前の章から徒歩20分

    一ノ峰・末広大神

    いちのみね・すえひろおおかみ
    明治 — 頂上を埋める、一万の祈り

    登り切った頂上にあるのは、大きな社殿ではなかった。

第1章の語り出し

その場所に立つと、聴こえる。

見上げてください。三間一戸、入母屋造に檜皮葺の大屋根をいただくこの門は、神社の楼門としては最も大きいものに属します。建てたのは、天下を統べつつあった豊臣秀吉。時は天正17年——西暦でいえば1589年のことでした。ただ、征服者としてではありません。母——のちに大政所(おおまんどころ)と呼ばれた人の病がどうか癒えますようにと、成就すれば一万石を奉(たてまつ)ると記した「命乞いの願文」が伝わっています。願いは、かなった。

つづきは、アプリで。第1章は無料です。

People

この物語に出てくる人

豊臣秀吉
天下統一を成した武将
大政所
豊臣秀吉の母
歩く前に

所要・料金・行き方

起点
JR奈良線 稲荷駅(京都駅から約5分)
所要
徒歩約5km・約2時間半(山歩き)
拝観料
拝観無料
行き方
京都駅からJR奈良線で約5分(稲荷駅・駅前すぐ)
Sources寺社・自治体などの公式資料にもとづくノンフィクションです。

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